令和2年度 介護労働実態調査結果 のポイントを把握しておきましょう
2021年08月31日
「介護労働実態調査」の調査結果が発表
2021年8月23日、平成15年度から続く「介護労働実態調査」が公益財団法人介護労働安定センターより発表されました。今回は、特に認識・確認しておいた方が宜しいかかもしれない情報・データを大きく6点、ピックアップして皆様にお届けさせていただきたく思います。
「さて、この視点において、自社の実情はどうなっているのだろうか?」是非、そのような視点を持ちつつ、目を通していただければ幸いです。
(今回はデータを淡々と羅列するのみに留めますので、皆様の中で現場感覚に合せた解釈を是非、加えてみていただければと思います)
「介護労働実態調査」で特に認識・確認しておいたほうが良いデータ
では、早速、中身に移ってまいりましょう。
まずは1点目、「離職率の経年変化」データです。
↓
https://carebp.com/img_useful/img_113_1.jpg
介護職員については平成25年度の17.7%がピ-クとなっており、その後、概ね減少傾向となっている一方、訪問介護員の離職率は令和2年度実績で15.6%となっており、増加基調にあることが確認できます。
次は2点目、他産業との離職率比較データ「雇用動向調査(厚生労働省)との離職率比較」です。
↓
https://carebp.com/img_useful/img_113_2.jpg
主には労働集約型産業同士の比較データとなっておりますが、コロナ発生以前の令和元年(2019年)10月1日時点においても他産業の離職率の方が高くなっている、という状況が見て取れます。
次に3点目、「介護サ-ビス別の離職率」についてです。
↓
https://carebp.com/img_useful/img_113_3.jpg
上記を見る限り、「特定施設入居者生活介護」がすべての年度で離職率が最も高くなっている、というところが特徴的でしょうか。
次に4点目、「事業所単位の離職率」データです。
↓
https://carebp.com/img_useful/img_113_4.jpg
上記データを確認する限り、「10%未満」がすべての年度で離職率が最も高くなっており、その次に高いのが「30%以上」となっています。地域差は勿論あろうかと思いますが、概ね「2極化」が進んでいる、と捉えることが出来るのかもしれません。
次に5点目、「現在の従業員の定着状況」に関するデータです。
↓
https://carebp.com/img_useful/img_113_5.jpg
すべての区分おいて「定着率は低くない」が最も高く、居宅介護支援では84.5%となっている一方、居住系と施設系(入所型)は「定着率が低く困っている」がそれぞれ24.4%、21.8%となっています。
なお、定着率の状況別に、「定着率が低く困っている」事業所の離職率の平均は21.5%、「定着率は低いが困っていない」事業所の離職率の平均は20.8%、「定着率は低くない」事業所の離職率の平均は12.2%となっているようです(下図)。
↓
https://carebp.com/img_useful/img_113_6.jpg
最後に6番目、「従業員の過不足状況」に関するデータです。
↓
https://carebp.com/img_useful/img_113_7.jpg
上記データを見る限り、全体では「適当」が38.6%で最も高く、次いで「やや不足」が31.7%となっています。
また、1.「大いに不足」+2.「不足」+3.「やや不足」(以下「不足感」という。)は60.8%。「不足感を感じている」事業所が全体の約6割である一方、「不足感を感じていない」事業所が全体の約4割にも上っている、という本結果は非常に興味深いところです。
自社の現状を把握し調査結果と比較することで対応を検討
以上、6点ほどデータをピックアップして概要・ポイントをお届けいたしました。まだまだ様々な視点のデータが公表されておりますので、詳細は下記URLを参照いただければと思います。
介護経営に携わる方や人事・組織づくりに携わる皆様は、自社の現状を把握し、調査結果と比較することにより、様々な気付きや学び、或いは改善のヒント等を得ることが出来るものと思われます。そのような視点で是非、本情報を有効に活用していただければ幸いです。
私たちも今後、引き続き、本テーマを含め、より有益な情報や事例を入手出来次第、皆様に向けて発信してまいります。
※上記内容の参照先URLはこちら
↓
令和2年度介護労働実態調査結果報告書
http://www.kaigo-center.or.jp/report/2021r01_chousa_01.html
|