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今のままの雇用契約で大丈夫?~労働関連法の改正を考える~
2012年12月19日

平成25年4月1日より、労働関係の2つの法律が改正されます。

皆さんは、介護事業者にも影響を及ぼす可能性が高い2つの法律「労働契約法(以下「労契法」)」「高年齢者雇用安定法(以下「高年法」)」が改正され、平成25年4月1日に施行されることをご存知でしょうか?
労契法改正については、有期契約労働者(=期間の定めのある労働者)に関する取扱いが、高年法改正については主に、継続雇用制度の対象となる高年齢者の範囲に関する取扱いが大きく変わります。
有期契約者や高年齢者を雇用している場合も多い介護事業者としては、予め今回の法改正の内容を理解し、自社の労働契約にどのような影響を及ぼすのかについて確認・対応を行う必要があるでしょう。
今回の記事では、その中でも大きな影響を及ぼす可能性が高い「労契法18条」について概要を皆様にお伝えさせていただきます。

ある日突然、有期契約労働者が経営者の許可なく無期契約労働者に?!

平成25年4月1日から施行される改正労契法18条においては、「同一の使用者(法人)との間で、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込により、無期労働契約に転換される」ことが謳われています。ポイントとしては、「更新が1回以上行われており、通算労働契約期間が5年を超えていること」「(無期契約転換の意思決定については)事業主の判断・許可を必要としないこと」「(申込権が行使された場合)事業主側は承諾したものとみなされること(=拒否出来ない)」以上の3つです。
言葉だけではイメージしずらいかもしれませんので、具体的な例で考えてみましょう(図を参照)。

例えば1年更新で有期労働契約を行っており、5回目の契約が満了し、新たな有期雇用契約(例えば1年間)を締結した場合(=1回以上の更新を経て、通算労働契約期間が5年を超えた場合)、当該契約締結の日から当該期間の契約満了日まで、労働者には無期労働契約の転換を希望する「申込権」が付与されます。そして、申込権を行使した場合、6年目の当該雇用契約が満了した日の翌日(7年目)から、無期労働契約に切り替わる、という流れになります(=申込権を行使したその日から無期契約に切り替わる、という訳ではありません)。
また、5回目の更新後の1年間で申込権を行使しなかった場合、一旦、その段階で申込権は消滅します。
しかし、6回目の更新を行った翌日から1年間の間、無期労働契約への転換申込権が再度付与される(=1回以上の更新を経て通算労働契約期間が5年を超えているため)、という流れになり、以降、それが繰り返されることになります。
ちなみにこの法律は平成25年4月1日から施行されますが、「5年」の起算日については「平成25年4月1日以降の最初の契約締結日」となり、(5年の積算が)平成25年3月31日以前にまで遡ることはありません。
また、契約と契約との間に6か月以上(直前の契約期間が1年未満の場合、当該期間の1/2以上)の期間が空いた場合、年数積算がリセットされて再度ゼロからのカウントに戻る(=クーリング期間と言う)等の運用も決まっています。

関連法規の改正には敏感に!~介護経営者の心構えと事前準備~

この場で解説した内容は、あくまで今回の法改正におけるごく一部の部分です。
しかし、この内容を見ていただくだけでも、自社の人財戦略・マネジメントに少なからず影響を及ぼす改正であったことは十二分にご理解いただけることと思います。
今後、介護事業者には、他業界以上にコンプライアンス(法令遵守)が求められるであろうことは、過去にも申し上げてきたとおりです。しかし、法令順守を最優先させた結果、自社の経営が窮する事態に陥ってしまった、という状態になってしまっては目もあてられません。
以前、大変優秀なある介護事業経営者の方が、「上に政策あれば下に対策あり」と笑いながら発言をされていたことを思い出します。
「法令遵守」を基礎に置きつつも、スピード感を持って如何にそれらと「経営」「マネジメント」という現実との整合性を見出していくか、決着させていくか、という姿勢が今後、更に不可欠になってくるでしょう。
情報感度の高い経営者はこれらの改正を見据え、リスクマネジメント的な観点から既に自社の就業規則の見直し等を始めています。
是非、皆様も自社の顧問社労士、もしくはCB-TAGパートナーである介護特化社労士に相談し、本改正の全体像を把握した上で、どのような対策が必要なのか?について、早めに準備を進められることをお奨めします。我々としても、今後、最新情報が入り次第、皆様へ発信させていただくように致しますし、有効な手立てがあれば積極的にご提案をさせていただくようにしたいと思います。

CB-TAGパートナー社労士のご紹介
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