「介護保険制度の見直しに関する意見」がまとまりました。
2013年12月26日
介護保険部会が最終提言書をとりまとめ⇒公表へ。
2013年12月20日、2015年法改正に向けた論点整理を中心に議論を続けていた“社会保障審議会 介護保険部会”が一定の結論をまとめ、最終報告書を公表しました。過去のニュースレターでも何度か議論のプロセスについてお伝えしてまいりましたが、本ニュースレターでは、最終報告書の公表と共に、あらためて重要なポイントについて抜粋・確認をしてまいります。
抑えるべきポイント・視点とは?
多くの整理が為されている本報告書ですが、中でも特に重要と思える項目・内容は下記の通りです。(一部、表現変更あり。また、【】部分は加筆(解説)した箇所。)
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〇地域支援事業の枠組みの中で介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)を発展的に見直し、
予防給付のうち、訪問介護・通所介護について、地域支援事業の形式に見直す(平成29 年4 月までにはすべての市町村で実施し、平成29 年度末にはすべて事業に移行する)。
〇新しい総合事業の事業構成は、「介護予防・生活支援サービス事業」と、すべての高齢者が利用する体操教室等の普及啓発等を内容とする「一般介護予防事業」とする。介護予防・生活支援サービス事業については、 利用手続は要支援認定を受けて地域包括支援センターによるケアマネジメントに基づきサービスを利用する。介護予防・生活支援サービス事業の利用のみの場合(=従来の2次予防対象者)は、基本チェックリスト該当で利用可能とする。
〇事業費の単価及び利用料については、サービスの内容に応じた市町村による設定を可能とし、現在の訪問介護、通所介護(予防給付)の報酬以下の単価を市町村が設定する仕組みとする。
既存サービスに相当するサービスの利用料については、要介護者に対する介護給付における利用者負担割合等を勘案しつつ、一定の枠組みの下、市町村が設定する仕組みを検討する。【一定程度の所得者は、介護保険内議論と同様、2割負担とすることを示唆】
〇利用者個人の限度額管理を実施し、利用者が給付と事業を併用する場合には、給付と事業の総額で管理を行うことを可能とすることを検討する。【給付範囲内・外の費用負担の合計額を管理?】
〇 市町村が事業者へ委託する方法に加え、あらかじめ事業者を認定等により特定し、当該市町村の一定のルールの下、事業者が事業を実施した場合、事後的に費用の支払いを行う枠組みを検討する。【従来の介護保険利用と同様のイメージ?】
〇総合事業の事業費の上限については、(中略)費用の効率化の趣旨を踏まえ、 予防給付から事業に移行する分を賄えるよう設定する。また、当該市町村の予防給付から移行する訪問介護、通所介護と予防事業の合計金額を基本にしつつ、当該市町村の後期高齢者数の伸び等を勘案して設定した額とする。【一気に給付抑制を行うことはしないものの、市町村の努力も含め、段階的に下げていくことを想定。具体的には、前年対比5~6%の伸びだったものを3~4%に抑えていく方針】
〇小規模の通所介護については、少人数で生活圏域に密着したサービスであることから、(中略)市町村が指定・監督する地域密着型サービスに位置づける(施行時期は平成28 年4 月までの間とし、条例制定時期は施行日から1 年間の経過措置を設ける)。
〇保険者機能の強化という観点から、(中略)居宅介護支援事業者の指定権限を市町村に移譲する(施行時期は平成30 年4 月とし、条例制定時期は施行日から1 年間の経過措置を設ける)。
〇一定以上の所得のある方に2 割の利用者負担を求めるべきであるという点については、概ね意見の一致を見た。一定以上所得者の水準については、第1 号被保険者全体の上位20%に該当する水準という案を支持する意見があったほか、様々な意見があった。
〇高額介護サービス費の負担限度額については、(中略)医療保険の現役並み所得者の多数該当と同じ水準である44,400 円とすることが適当である。
〇補足給付については、本人と配偶者の貯蓄等の合計額が一定額(単身で1000 万円、夫婦世帯で2000 万円)を上回る場合には対象外とすることで概ね意見の一致を見た。
〇不動産を所有する者については、市町村が不動産担保貸付の業務を委託することができる外部の受託機関を確保することが必要であり、引き続き検討を続ける。【資産はあるが預貯金や所得がない場合は、市町村が不動産を担保に貸付を行い、最終的に担保と貸付金を相殺させる仕組みを導入】
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“次の一手”早期の検討を。
最終報告書がまとまったことにより、2015年(平成27年)法改正の青写真はほぼ明確になった、と考えて差し支えないでしょう。介護事業経営者としては本報告書を熟読し、自社にどのような影響が生まれるか?等についてしっかりシミュレーションを行うと共に、それらに対する対応策についても早めに検討を進める必要があると言えそうです。我々としても更なる情報、もしくは新たなアイデアやヒントを皆様に提供出来るよう、より一層意識を強めてまいります。
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